昔むかし、武者が刀やお祓いで妖魔を退治していた頃。
人の世を掠略せんとする魑魅魍魎を
「
此岸に平和が訪れた。
それから数代の後。
不知火流の当代:
古い社において、記憶を失い、衰弱した少女と出会った。
武部は、自分と同じ年頃の彼女を暖かく迎えることになる。
しかし、彼女こそが、かつて人の世を我が物としようとした一族
「
二人とも、互いが自らの宿敵であることに、薄々気づいているかもしれない。
また、妲己はなぜ記憶が無いのか。それとも忘れた振りをしているだけなのか。
だが、今はそれでいい。
最終的には刃を首に当てることになったとしても、
長い時間の中で、このひとときが二人の心を暖める日は
きっと来る。

